桐光松井君は我々にとっても大きな存在だった

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 応用編もある。一塁走者がおとりとなって、リードをしながら転ぶのだ。左投手だから目の前に見える。「あっ」と思って素早い牽制をするか、しないかのうちに、三塁走者が本塁へ突入する。試合で使う局面はなかったものの、ここぞの時のために繰り返し練習した。

 出場した甲子園は優勝した前橋育英に3回戦で完敗。甲子園で勝ち上がる力はまだなかった。

 練習態度も試合での姿勢も、レギュラー8人が2年生のチームに物足りなさを感じていた。それが、松井用の練習の時は一丸となった。私も渡辺元智監督もそのことばかりを考えていた。選手だけでなく、我々にとっても松井君は大きな存在だった。

【小倉清一郎 横浜高校野球部コーチ】

【連載】続・鬼の遺言

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