横綱白鵬ただ1人全勝ターンも “懸賞ぶん回し”は不安の表れ

公開日: 更新日:

 横綱白鵬(34)は難敵を下したとき、懸賞をわしづかみにした右腕を「どうだ!」と言わんばかりに大きく振る。つまり、それが多い今場所は苦戦続きということだ。

 17日は栃煌山にいなされて不利な体勢になり、一気に寄り切られるか――と思われた。しかし、土壇場で逆襲の小手投げを放ち、紙一重で勝利。勝ち名乗りを受け、懸賞を受け取った右手をぶんと振った。

 先場所も10連勝中は薄氷を踏むがごとき相撲が多かった。それだけ衰えが顕著なのだろう。

 ある親方は「相手の雑な攻めもある」と、こう続ける。

「全盛期の白鵬には何もできないまま負けていたのが、今はあっさりと有利な体勢にもっていける。拍子抜けすると同時に『ここを逃せばチャンスはない』と焦ってしまうのだろう。立ち合いの圧力は落ちても、白鵬の技術は健在。つまり、雑な攻めで墓穴を掘っている。さらに白鵬は運動神経も抜群。この日も栃煌山に後ろを取られそうになるや、素早く回転した。あの反応の良さは稽古で身に付くものではなく、天性でしょうね」

 もっとも、先場所も10連勝から3連敗して休場したように、体力面には不安が残る。ギリギリの勝利ばかりでは、集中力だって続くかどうか。

 8日目終了時点で無敗キープは白鵬ひとりだが、賜杯争いはまだまだ予断を許さない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    日本球界今オフを襲うポスティング地獄…“予備軍”もゴロゴロ、空洞化ますます加速

    日本球界今オフを襲うポスティング地獄…“予備軍”もゴロゴロ、空洞化ますます加速

  2. 2
    佐々木朗希とのただならぬ関係…陰で糸引く「黒幕」は大船渡高時代の韓国遠征まで追いかけた

    佐々木朗希とのただならぬ関係…陰で糸引く「黒幕」は大船渡高時代の韓国遠征まで追いかけた

  3. 3
    ついに国民年金65歳まで納付案が…政府がヒタ隠す「年金積立金250兆円」という都合の悪い真実

    ついに国民年金65歳まで納付案が…政府がヒタ隠す「年金積立金250兆円」という都合の悪い真実

  4. 4
    キムタクを縛り続ける《公称176cm》のデータ…「Believe」番宣行脚でも視聴者の関心は共演者との身長比較

    キムタクを縛り続ける《公称176cm》のデータ…「Believe」番宣行脚でも視聴者の関心は共演者との身長比較

  5. 5
    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

  1. 6
    「白鵬の弟子」押し付け合い勃発! あちこちから聞こえる師匠譲りの不穏な評判

    「白鵬の弟子」押し付け合い勃発! あちこちから聞こえる師匠譲りの不穏な評判

  2. 7
    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 8
    キムタク主演ドラマがまさかの1ケタ…“考察”慣れしすぎて王道スポ根が楽しめない?

    キムタク主演ドラマがまさかの1ケタ…“考察”慣れしすぎて王道スポ根が楽しめない?

  4. 9
    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

  5. 10
    大谷は徹底した個人主義、思考回路も米国人…ゴジラ松井とはメンタリティーに決定的差異

    大谷は徹底した個人主義、思考回路も米国人…ゴジラ松井とはメンタリティーに決定的差異