大関とり白星発進…貴景勝の強みは角界随一の圧力と観察眼

公開日: 更新日:

 まさに鎧袖一触の相撲だった。

 10日の3月場所初日、大関とりを狙う貴景勝(22)が、危なげなく白星発進。埼玉栄高校の先輩・妙義龍を立ち合いのぶちかましではじき飛ばすと難なく押し出した。

 取組後は「普通です」と話すなど、浮かれた様子もなし。大関とりがかかる場所でも、平常心を維持している。

 少年時代から父親とマンツーマンで相撲の稽古に励んだ環境もあって、メンタルの強さは折り紙付き。22歳とは思えぬ落ち着きようで、相撲内容にも安定感がある。

 ある親方が言う。

「貴景勝の相撲を簡単に言ってしまえば、相手をよく観察しながらぶつかっていくだけ。それだけなんだが、圧力は角界随一の上に、観察眼にもたけている。力押しで対抗できる力士は限られているし、不用意に反撃に出ようものなら『待ってました』とばかりに、突き落としを食らってしまう。シンプルなだけに逆に対策が立てにくい。今は、どの力士も貴景勝を研究している。例えば貴景勝に4連勝中の御嶽海は、立ち合いの前みつ狙いでプレッシャーをかけている。貴景勝に『油断したらまわしを取られるぞ』と思わせることで、出足を鈍くする作戦です。ただ、それも力自慢で相撲センス抜群の御嶽海だからできる対策法。どの力士もできることじゃない」

 大関とりの壁もはじき飛ばしそうだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  2. 2

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  3. 3

    元日本代表主将DF吉田麻也に来季J1復帰の長崎移籍説!出場機会確保で2026年W杯参戦の青写真

  4. 4

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  5. 5

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 7

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 8

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾