著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

中日・与田監督は審判へのハラスメントになっていないか

公開日: 更新日:

 4月21日の中日ヤクルト戦で、今岡二塁塁審のジャッジをめぐって中日・与田剛監督が抗議する場面があった。今岡塁審は二塁付近を見ていなかった(よそ見していた)にもかかわらずセーフと判定し、与田監督から追及されると「見ていた」と強弁。しかし、リプレー映像では「よそ見」の様子がはっきり映っていたため、今岡塁審が「嘘をついた」と批判される事態となったわけだ。

 結局、判定自体はその後にリクエストとなってアウトに覆ったのだが、与田監督は後日になっても「見ていましたと言っていた方が見ていなかったのであれば、それに対してちゃんと答えを出さないと最終的な結論にはならない」と糾弾し、ネット上でも多くのファンが「ミスは仕方ないけど嘘をついたことは問題」などと当世事情に即した批判を展開。誤審問題から今岡塁審の「嘘」をめぐる道義的な問題にすり替わることとなった。

 この「嘘をついた」という問題だが、それを今岡塁審の内的要因に集約させるのはいささか疑問が残る。あの試合の局面で今岡塁審が抗議を受けたとき、なぜ素直に「見ていませんでした。すみません」と白状できなかったのか。審判だって人間なのだから、いわゆるヒューマンエラーは付き物であるはずなのに、なぜ彼は思わず嘘をついてしまったのか。そういう論点で事態を考えると、今岡塁審を取り巻く外的要因にも思考が及ぶ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  5. 5

    巨人正捕手は岸田を筆頭に、甲斐と山瀬が争う構図…ほぼ“出番消失”小林誠司&大城卓三の末路

  1. 6

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  2. 7

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    「ばけばけ」苦戦は佐藤浩市の息子で3世俳優・寛一郎のパンチ力不足が一因