平井隆司
著者のコラム一覧
平井隆司デイリースポーツ元記者

1942年、大阪府出身。旅行会社に就職するも4年で退社、デイリースポーツへ。阪神の担当記者として数々の事件や騒動を取材。デイリースポーツ編集局長やサンテレビ常務など、神戸新聞グループの主要ポストを歴任した。著書に「猛虎襲来」「阪神タイガース『黒歴史』」。

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公開日: 更新日:

 なんでもかんでも東京のマネをしなくてもいいのに、「大阪都」を目指す大阪市は今では地下鉄を大阪メトロと名付けている。

 そのメトロの東梅田駅発の谷町線に乗ると、20分もしないうちに「谷町六丁目」の駅に着く。

 多くの人に知られている「タニマチ」はこの町で生まれている。

 タニマチとは……代表的な例をいえば、お相撲さんがわかりやすい。あれこれの世話を焼き、出世しろ、大関を目指せ、横綱の土俵入りをみせろと、口では言わず、食事に連れ、遊郭に連れ、そして帰り際に分厚い札束を手渡す。かような人物をそのように言った。

 大阪商人の遊び心。少し、見方を変えれば虚栄心の表れといった方が的を射ているかもしれない。

■外科医か呉服屋の旦那衆か

 明治の時代、谷町に住んでいた外科医が最初の人物だ、いやいや呉服屋の旦那衆が先だ、と「タニマチ」の語源探しはしばしば酒の肴になる。いまだにそうである。

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