著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

米国で最高気温40度超えの地域が続出…「記録的猛暑」が米球界に与える“2つの影響”

公開日: 更新日:

 今年の異常な暑さは、大リーグにとっても見逃すことができない問題となっている。

 第1の問題は光熱費だ。現在の多目的化した球場には、場内にレストランや観覧車、プールなども設置されることが多い。すべての施設が稼働する場合、球場が必要とする電力は、1シーズン当たり3000万キロワット以上となる。これは、米国の平均的な家庭3000世帯以上が1年間に使用する電力量に相当し、年間の光熱費は100万ドルを超える。

 各球団は太陽光発電などのグリーン電力の活用やエネルギー消費効率の向上に努めているものの、異常ともいうべき夏の暑さによって空調設備に用いる費用は例年を上回っている。とりわけ開閉式を含む屋根付き球場は快適な環境での観戦を特長としている。それだけに、外気の温度が上がればそれだけ球場内の消費電力も多くなり、例年以上に光熱費がかさむことが懸念されている。

 第2の問題は、本塁打数の増加である。今年になって、暖かい空気は冷たい空気よりも密度が薄いため、気温の高い日は気温の低い日に比べて打球が空気抵抗を受けにくく、遠くまで飛びやすくなるという研究結果も発表されている。

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