近鉄の名外野手・鈴木貴久さんの“暑がり珍エピソード”の数々 ベッドの上に山盛りの氷をぶちまけて…
最多賞左腕・阿波野秀幸氏による「細腕奮闘記」(第18回=22年)を再公開
日刊ゲンダイではこれまで、多くの球界OB、関係者による回顧録や交遊録を連載してきた。
当事者として直接接してきたからこそ語れる、あの大物選手、有名選手の知られざる素顔や人となり。当時の空気感や人間関係が、ありありと浮かび上がる。
今回は近鉄でプレーした名外野手の故・鈴木貴久氏について綴られた、最多勝左腕・阿波野秀幸氏による「細腕奮闘記」(第18回=2022年)を再公開。年齢、肩書などは当時のまま。
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ロッテとのダブルヘッダー第1試合で本塁打を含む3安打を放ち、決勝のホームを踏んだ鈴木貴久さんの自宅に行ったときのこと。
玄関のドアを開けて仰天した。廊下におびただしい数のバットとゴルフクラブが立てかけてあったからだ。
道具にこだわり、バットやゴルフクラブは自分に合うオリジナルを山ほどもっていた。外野手用のグラブにしても通常は指の部分が1本と4本に分かれているところ、鈴木さんのは1本と3本で、3本のうちの1本を広めにしてそこに指を2本入れていた。