震災で家族を心配する選手たちに星野監督が怒号「おまえらは野球だけしとりゃあええんじゃ!」
2011年3月11日、東日本大震災が起きた。俺は埼玉県戸田市で二軍の教育リーグ中に被災。試合は途中で打ち切られた。試合後、一軍がオープン戦を行う横浜に合流することになっていた俺は当初の予定通り、裏方さんの車で横浜へ向かった。
首都高はガラガラ。車が一台も走っていなかった。
宿舎のベイシェラトンホテルに着くと、兵庫県明石市で試合をしていたチームはまだ到着していなかった。送ってもらった裏方さんと別れた後、ホテルの近くのコンビニに入ると、物がひとつもなかった。食べ物、飲み物はもちろん、日用品も。ただひとつ、大人の雑誌だけがポツンと残っていて、「こういう非常時って売れないんだ……」と妙に冷静だったのを覚えている。
一軍がホテルに到着すると、監督やコーチを交えた緊急ミーティングが始まった。
「これからどうしたらいいのか」
「こんな状況で野球をしている場合なのか」
選手の総意は「一刻でも早く仙台に帰る」ということだった。すると、星野仙一監督はこう一喝した。
「何を甘ったれたこと言っとるんや。おまえらは野球だけしとりゃあええんじゃ!」
確かに俺たちは野球が仕事だけど、家族あっての野球。家族を犠牲にしてまでやることじゃない。
当然、選手からは反発の声が上がった。それでも監督は「野球第一」の姿勢を崩そうとはしない。そしてこう言った。
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