佐々木朗希のドジャース入団で交錯した期待と不安…「1年目15勝」か「途中シャットダウン」か【最終回】
2024年1月の記事③を再掲載
佐々木朗希が不甲斐ない投球を見せるたび、SNS上では辛辣な声が吹き荒れる。高卒3年目に1試合19奪三振の日本記録、史上最年少の20歳5か月で完全試合を達成するなど投手として圧倒的なポテンシャルを持ちながら、なぜここまで叩かれるようになったのか。
その背景には、ファンから「ゴネ得」とも揶揄された米挑戦騒動がある。23年オフに大きな物議を醸した古巣ロッテとの泥沼交渉劇、24年シーズンの不完全燃焼、そしてタンパリング疑惑まで取り沙汰されたドジャース入り──。日本球界最後の1年に何があったのか。当時の記事で振り返る。年齢、肩書は当時のまま。
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ドジャースと合意した佐々木朗希(23=前ロッテ)への期待は高まるばかりだ。
米野球データサイト「ファングラフス」は日本時間18日、成績予想システムとして的中率が高いと評判の「ZiPS プロジェクション」を更新し、佐々木の渡米1年目の成績を「26試合(148イニング)に先発し、10勝8敗、防御率3.20、190奪三振」と予想。ドジャース投手陣では勝ち星は大谷と並ぶ4位タイ、奪三振数は2位。貢献度を示すWARはエース右腕グラスノーと並ぶ3.7と高い数値をマークした。
日本の解説者からも期待する声が上がっている。
メッツなどでプレーした五十嵐亮太氏は19日、テレビ朝日系の「有働Times」に出演し「(登板試合数)は25試合くらいじゃないか。その中でいいところで15勝」とエース級の活躍を予想した。
昨年12月10日の交渉解禁後、代理人のジョエル・ウルフ氏に20球団が接触を図った。まだ23歳と若く伸びしろを残し、多くのメジャー球団から評価されたとはいえ、1年目から2ケタ勝利は厳しいと見るのが妥当なところではないか。
今季のド軍の先発候補は佐々木以外に、グラスノー、ジャイアンツから移籍の左腕スネル、2年目の山本のエース級3人に、5月に投手復帰が予定される大谷の他、ナック、シーハンら計9人がズラリと並ぶ豪華布陣だ。
移籍1年目の佐々木が開幕からローテ入りするかどうかはともかく、レギュラーシーズンでは登板を制限されそうだ。
大リーグに詳しいスポーツライターの友成那智氏がこう言った。
「今季のドジャースはメイ、ゴンソリンといった実績のある投手がトミー・ジョン手術から復帰する予定で、先発だけで9人を用意しています。開幕から6人ローテで行くのは確定しており、選手の好不調、故障の有無、疲労度を見極めて順次、入れ替える方針です。ド軍は投手、特に先発は故障防止に細心の注意を払っており、心身への負担を軽減するためにも無理はさせない。25歳以下の若手投手にはその傾向が顕著で、昨年は山本が右肩を故障したこともあり、レギュラーシーズンの登板は18試合、23年にメジャーデビューして11勝(4敗)をマークしたミラーも安定した投球を続けていたが、22試合の登板にとどまった。佐々木も同様に登板数、イニング数を制限されるはずです」
多くの米メディアはドジャース入りの決め手になったのは、負担の少ない「6人ローテ」を編成できる投手陣の層の厚さだと指摘している。昨季までのロッテでの実働4年間で最も多く投げたのは2022年の129回3分の1。暇さえあれば、右腕のコンディション不良などで離脱し、一度も規定投球回数(143)をクリアしていない。中6日のローテすら守れず、日本以上に登板間隔が短いメジャーではシーズンを通じて投げるのは厳しい。将来性はあっても、フィジカルの不安を拭えないのは本人もドジャースも織り込み済みだろう。
「数年後には大谷、山本と3人の日本人ローテを見込むド軍フロントは佐々木の故障防止には細心の注意を払うはずです。今季は少しでも調子を崩したり、異変が生じれば、肩、肘を痛めていなくても、負傷者リスト(IL)入りさせて様子を見るでしょう。新人投手の目安である20試合に満たなくても、レギュラーシーズン途中でシャットダウンする可能性もあり、ローテとして十分に機能し、仮にチームが13年連続ポストシーズン(PS)進出を果たしたとしても、投げさせてもらえないのではないか。PS進出やリーグ優勝決定の瞬間はロースターから外れ、ベンチで見届けることになるかもしれません」(前出の友成氏)
「未完の大器」として、将来性を高く評価されている佐々木。期待に応えられるようになるまで、しばらく時間がかかりそうだ。(おわり)


















