「青い薬」フレデリック・ペータース著、原正人訳
一方で、ある夜、セックスの最中にコンドームが破れていることに気づきパニックになったフレッドは、それまで分かっている気になっていたカティの苦悩に初めて気づく。
3人の日常を描きながら、カティへの愛が同情なのではないかと自問するなど、HIVという爆弾を一生背負い続けなければいけない家族を持った男の心の内を正直に吐露する。
あえて筆で描いたというその漫画は、陰影深く、フレッドの葛藤を生々しく伝える。
HIVをテーマにしながら、愛とは何かと深く考えさせられる大人のラブストーリーだ。
(青土社 2400円)