• facebook  
  • twitter  
  • Facebook Messenger
北上次郎
著者のコラム一覧
北上次郎評論家

1946年、東京都生まれ。明治大学文学部卒。本名は目黒考二。76年、椎名誠を編集長に「本の雑誌」を創刊。ペンネームの北上次郎名で「冒険小説論―近代ヒーロー像100年の変遷」など著作多数。本紙でも「北上次郎のこれが面白極上本だ!」を好評連載中。趣味は競馬。

「暗殺者の飛躍(上・下)」マーク・グリーニー著、伏見威蕃訳

 すごいすごい。もうくらくらである。

 フリーのヒットマン、コート・ジェントリーを主人公とするシリーズは、「暗殺者グレイマン」「暗殺者の正義」「暗殺者の鎮魂」「暗殺者の復讐」「暗殺者の反撃」という5部作で、第1期が完結した。本書から始まるのは第2期である。すべてリセットした上での新スタートであるので、これまでの5部作を未読の方はここから読み始めることをぜひおすすめしたい。

 中国サイバー戦部隊の天才ハッカー茫が逃亡するのが物語の幕開けだ。アメリカは当然、茫を生きたまま捕らえることを目標に、コート・ジェントリーを派遣する。ちなみに、ジェントリーはCIA局員ではない。依頼を受けて香港へ飛ぶ。中国人民解放軍の保全・防諜部部長の戴は、茫を抹殺するために特殊部隊を指揮して追いかけてくる。そこに絡んでくるのがロシア対外情報庁。アメリカもロシアも、台頭する中国を叩くために茫を必要とするのだ。この三つ巴だけでも大混乱なのに、香港、ベトナム、タイの犯罪組織がカネのにおいをかぎつけて絡んでくる。もうぐちゃぐちゃである。

 このシリーズは、畳みかけるアクションの量と迫力で、冒険小説ファンの心を掴んだが、本書も例外ではない。息詰まるアクションがこれでもかこれでもかと展開するのだ。いやはや、すごい。グリーニー、相変わらず絶好調だ。

 (早川書房 各860円+税)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “元彼”と同時引退? 幻に消えた安室奈美恵の「再婚」報道

  2. 2

    狙われる関ジャニ∞…錦戸&大倉“ベッド写真”流出の裏事情

  3. 3

    花田家は崩壊寸前…貴乃花親方は協会批判し妻は見舞い拒否

  4. 4

    崩れた圧勝皮算用 安倍3選という「終わりの始まり」<上>

  5. 5

    台湾4割スラッガー王柏融めぐり 巨人vs阪神で争奪戦勃発

  6. 6

    吉澤ひとみの逮捕で…「元モー娘。」相次ぐ謝罪の違和感

  7. 7

    安倍首相が総裁選で獲得 地方票「55%」の怪しいカラクリ

  8. 8

    内部留保が過去最高446兆円 貯め込んでいる大企業はココだ

  9. 9

    今季でクビの選手が続出? 阪神“不良債権”11億円の中身

  10. 10

    虎最下位で金本続投白紙…後任に掛布・岡田という“断末魔”

もっと見る