「近いはずの人」小野寺史宜著

公開日: 更新日:

 大手食品メーカーに勤務する33歳の俊英は、結婚4年目の妻・絵美を交通事故で失い、どん底の日々を過ごしていた。3カ月前、友人と1泊旅行に出かけた絵美が宿に向かうために乗車したタクシーが崖から転落した。しかし、見つかった遺体は絵美と運転手だけで同行したはずの友人はいなかった。俊英は、絵美が同僚の若菜と出かけたと勝手に思い込んでいたが、同行者は若菜ではなかった。

 会社と自宅を往復するだけの日々、俊英は毎夜、妻の携帯電話のロックを外そうと、4桁の番号を0000番から押し続けていた。ある夜、ついにロックが外れ、残されていたわずかなメールから絵美が「8」という人物と宿で待ち合わせしていたことが分かる。

 妻を失った男の失意と再生を描く「恋愛」小説。

(講談社 700円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 4

    大山悠輔に続き石川柊太にも逃げられ…巨人がFA市場で嫌われる「まさかの理由」をFA当事者が明かす

  5. 5

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  3. 8

    どうなる?「トリガー条項」…ガソリン補助金で6兆円も投じながら5000億円の税収減に難色の意味不明

  4. 9

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  5. 10

    タイでマッサージ施術後の死亡者が相次ぐ…日本の整体やカイロプラクティック、リラクゼーションは大丈夫か?