「近いはずの人」小野寺史宜著

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 大手食品メーカーに勤務する33歳の俊英は、結婚4年目の妻・絵美を交通事故で失い、どん底の日々を過ごしていた。3カ月前、友人と1泊旅行に出かけた絵美が宿に向かうために乗車したタクシーが崖から転落した。しかし、見つかった遺体は絵美と運転手だけで同行したはずの友人はいなかった。俊英は、絵美が同僚の若菜と出かけたと勝手に思い込んでいたが、同行者は若菜ではなかった。

 会社と自宅を往復するだけの日々、俊英は毎夜、妻の携帯電話のロックを外そうと、4桁の番号を0000番から押し続けていた。ある夜、ついにロックが外れ、残されていたわずかなメールから絵美が「8」という人物と宿で待ち合わせしていたことが分かる。

 妻を失った男の失意と再生を描く「恋愛」小説。

(講談社 700円+税)

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