「男の民俗学大全」遠藤ケイ著

公開日: 更新日:

 社会の変化にあらがいながら、日本の伝統文化や手仕事の技を守り続けている男たちを取材したイラストブック。

 小澤忠一さん(64歳=取材時)は、千葉県銚子で半世紀以上、大漁旗作り一筋に生きてきた。鮮やかな原色で染め上げられた大漁旗の色や絵柄は漁師の気骨そのもの。威勢のいい大漁旗の図柄は船主や網元が配る「万祝(まいわい)」という漁師の晴れ着がもとになっている。

 しかし、そうした江戸時代以来の習慣は戦前に消え、万祝を作る人もいなくなった。房総九十九里は万祝発祥の地だという。そうした歴史や由来などにも触れながら氏の仕事に密着して紹介。

 ほか、刺青師やマタギ、炭焼き窯職人など99種。自分の仕事に誇りと命を懸ける男たちの「奥義」に迫る。

(山と溪谷社 2090円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  2. 2

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  3. 3

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  1. 6

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  2. 7

    JLPGA専務理事内定が人知れず“降格”に急転!背景に“不適切発言”疑惑と見え隠れする隠蔽体質

  3. 8

    「俳優座」の精神を反故にした無茶苦茶な日本の文化行政

  4. 9

    (72)寅さんをやり込めた、とっておきの「博さん語録」

  5. 10

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動