「民間信仰」桜井徳太郎著

公開日: 更新日:

 柳田國男門下の宗教民俗学者による日本の民間信仰研究の復刻。

 日本では仏教伝来後も村落生活の底辺に原始信仰が堆積。中でも顕著なのは、自然そのものを崇拝の対象とする自然信仰と、雨風雷などの天然現象を引き起こす根源的霊力の存在を認め、それを畏敬崇拝する精霊信仰の2つだという。一方で、人間の能力で調整できる限度を超えた領域について神の力を頼ろうと、こうした原始信仰は守護霊崇拝へとつながっていった。愛媛県宇和地方のタタリガミ(祟り神)や妖怪ノツゴ、大分県国東半島のコイチロウ信仰など、1960年代の日本各地をフィールドワーク。

 人々の暮らしの中に生きる怪異や俗信、そして民俗信仰をすくいあげ、他地域の類例と比較し、その発生過程を歴史的に解説する。

(筑摩書房 1400円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 2

    萩生田光一氏「石破おろし」がトーンダウン…自民裏金事件めぐり、特捜部が政策秘書を略式起訴へ

  3. 3

    参政党は言行一致の政党だった!「多夫多妻」の提唱通り、党内は不倫やら略奪婚が花盛り

  4. 4

    【夏の甲子園】初戦で「勝つ高校」「負ける高校」完全予想…今夏は好カード目白押しの大混戦

  5. 5

    早場米シーズン到来、例年にない高値…では今年のコメ相場はどうなる?

  1. 6

    落合博満さんと初キャンプでまさかの相部屋、すこぶる憂鬱だった1カ月間の一部始終

  2. 7

    打者にとって藤浪晋太郎ほど嫌な投手はいない。本人はもちろん、ベンチがそう割り切れるか

  3. 8

    伊東市長「続投表明」で大炎上!そして学歴詐称疑惑は「カイロ大卒」の小池都知事にも“飛び火”

  4. 9

    “芸能界のドン”逝去で変わりゆく業界勢力図…取り巻きや御用マスコミが消えた後に現れるモノ

  5. 10

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も