「縁(ゆかり)」小野寺史宜著

公開日: 更新日:

 日曜日の試合後、室屋は選手の寛斗の母親・美汐から声をかけられる。転職を機に、荒川の近くで暮らし始めた室屋は、散歩のたびに河川敷のグラウンドで少年サッカーの練習を見学。やがて誘われ、2年前からコーチを務めている。

 美汐は、寛斗を試合に出すのをやめてほしいという。あまり上手でない寛斗が試合に出るのをひいきと感じたママ友が、美汐と室屋の関係まで疑っているらしい。室屋がシングルマザーの美汐に好意を抱いているのは確かだが、まだアクションを起こしたことはなく、室屋にとっては心外なことだった。(「霧」)

 その他、室屋が働くリペアショップの女性客や彼女のかつてのパパ活相手、さらに室屋が以前働いていた測量会社の社長の息子など、つながりを紡いで描く連作小説。

(講談社 748円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    2度不倫の山本モナ 年商40億円社長と結婚&引退の次は…

  2. 2

    日本ハムFA松本剛の「巨人入り」に2つの重圧…来季V逸なら“戦犯”リスクまで背負うことに

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    「ばけばけ」好演で株を上げた北川景子と“結婚”で失速気味の「ブギウギ」趣里の明暗クッキリ

  5. 5

    「存立危機事態」めぐり「台湾有事」に言及で日中対立激化…引くに引けない高市首相の自業自得

  1. 6

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  2. 7

    (2)「アルコールより危険な飲み物」とは…日本人の30%が脂肪肝

  3. 8

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  4. 9

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  5. 10

    高市政権の物価高対策はパクリばかりで“オリジナル”ゼロ…今さら「デフレ脱却宣言目指す」のア然