「それ自体が奇跡」小野寺史宜著

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 百貨店で働く貢は、大学のOBからサッカーの社会人チームに誘われる。チームは近い将来のJリーグ入りを目指しているという。30歳を過ぎた貢に会社を辞めるつもりはない。しかし、所属していた会社のサッカー部が廃部になり、不完全燃焼だった貢は、その場でチームへの参加を決断する。

 正月、話を聞いた妻の綾は、相談もなくサッカーを続けることを決めた貢に憤慨する。以来、夫婦の関係はぎくしゃくするばかり。チームは勝利を重ね上位をキープするが、試合のために店が忙しい日曜日に仕事を休まなければならない貢は職場で肩身が狭い。一方、客の天野に誘われ映画を一緒に見た綾は、貢よりも天野と過ごす方が心地よいことに気づく。

 隙間風が吹き始めた結婚3年目の夫婦の行方を描く長編小説。

(講談社 660円+税)

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