「海の教場」吉川英梨著

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 海上保安官の桃地政念(まさむね)に、同期のマドンナ、高浜彩子から電話がきた。15年ぶりに喫茶店で会うと、肝臓がんにかかっており「余命1年だって」と告げられた。

 舞鶴の病院に転院した彩子を追って、桃地は舞鶴の海上保安学校の教官として赴任する。担任になったのは、自殺者が出たクラスだった。あるとき、女性教官に髪を切ってくるよう指示された成瀬が理髪店に行かず、姿が見えない。しかも、成瀬の机の上がきれいに整理整頓されていた。

 成瀬が自殺した臼井と同じ2段ベッドを使っていたことを知った桃地が捜すと、成瀬は臼井が自殺した倉庫で泣いていた。そして、「あのとき一緒についていってやれば、俺も一緒に死ねたのに」と……。

 海上保安学校の教官と生徒の成長を描いた、日刊ゲンダイ連載小説を単行本化。

(KADOKAWA 1980円)

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