著者のコラム一覧
柚月裕子

1968年、岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。2013年「検事の本懐」で第15回大藪春彦賞、2016年に「孤狼の血」で第69回日本推理作家協会賞受賞。著書に「慈雨」「盤上の向日葵」など多数。

第一話 倫理的にあり得ない(27)香奈江に親権は渡さない

公開日: 更新日:
イラスト・大野博美

 安生は記憶を辿るように、遠くを見た。

「香奈江から妊娠を知らされたとき、私は不安になった。言い訳がましいが、私は特別、嫉妬深いわけじゃない。もしそうだったら、香奈江の夜遊びなど許していない。私が抱いた不安は、日頃のあいつを見ていれば誰もが頭をかすめたはずだ」

 続く… 

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