• facebook  
  • twitter  
  • Facebook Messenger

「青空と逃げる」辻村深月著

 本条力は、小5の夏休みを、母の早苗と2人、四万十川の岸辺で過ごしていた。東京育ちの力には、青空の下での川遊びやテナガエビ漁が珍しく、楽しい。母は食堂で働いている。

 ある日突然、母は四万十を離れてどこかに逃げると言い出した。東京からの追っ手に居場所を見つかってしまったらしい。急いで列車に乗ったものの、行くあてはない。

 母子で逃げる生活は、あの事故から始まった。有名女優が運転する車が深夜、事故を起こした。助手席には、舞台で共演することになっていた力の父が乗っていた。巻き起こる不倫疑惑報道、その後の有名女優の自殺、そして父の失踪。家族は壊れ、傷ついた母と息子は、それまでの生活を捨てて逃げた。

 読売新聞に連載された長編小説の単行本化。四万十川から瀬戸内海の家島へ、別府から仙台へ。ロードムービーさながらに風景が変わり、方言が変わる。逃げる先々に、わけありの母子に手を差し伸べる人たちがいる。

 母は、ありったけの力で息子を守ろうとした。かつて父と同じ劇団の女優だった母は、息子が知らない顔をいくつも持っていた。息子は、母と逃げながらさまざまな出会いを経験し、大きく成長する。でも、やっぱり、大好きな父に会いたい……。

 壊れた家族は再生できるのか。逃げる生活が終わりに近づくにつれ、意外な真相が明らかになっていく。(中央公論新社 1600円+税)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    もし破局したら…“恋愛露出狂”剛力&前澤社長の未来予想図

  2. 2

    県警・消防は380人動員 なぜ理稀ちゃんを発見できなかった

  3. 3

    まるで大使館…剛力彩芽&前澤社長の“100億円豪邸”を発見

  4. 4

    総裁選で論戦拒否…安倍首相が打って出た「逃げ恥」作戦

  5. 5

    逸材ゴロゴロ 夏の甲子園“契約金1億円”ドラ1候補7人の名前

  6. 6

    恋愛に厳しいはずが…剛力彩芽を“黙認”するオスカーの打算

  7. 7

    キムタクは“御一行”で…被災地を単身訪れた斎藤工との差

  8. 8

    カネと欲望がうごめく甲子園 ネット裏“怪情報”<下>

  9. 9

    剛力彩芽へ助言…私生活をSNSにアップする女優は伸びない

  10. 10

    まるで炎上商法 “超人ショー”と化した24時間TVの存在価値

もっと見る