「私の身体を生きる」西加奈子ほか著

公開日: 更新日:

「私の身体を生きる」西加奈子ほか著

 私は30代半ばまで無難な服だけを着ていた。つまり、私の外見の主体は「私以外」だったのだ。ジーンズやスニーカーは女性としての自分を損なうものだという刷り込みがあったからだが、ある日突然、その「鎧」が必要なくなった。妊娠適齢期を過ぎて体が急速に変化しはじめ、「若い女」ではなくなって、私は「私」になったのだ。

 昨年末、初めて私は自分のために指輪を買った。結婚指輪を買ったとき、その結婚指輪には「私」がいなかった。長い時間をかけてそのように教わってきたからだ。(島本理生「Better late than never」)

 ほかに金原ひとみら、17人の女性が自分の体について言葉をつむいだエッセー。

(文藝春秋 1650円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が楽天・辰己涼介の国内FA争奪戦に参戦へ…年齢、実績的にもお買い得

  2. 2

    号泣の渋野日向子に「スイングより、歩き方から見直せ!」スポーツサイエンスの第一人者が指摘

  3. 3

    囁かれていた「Aぇ!group」は「ヤベぇ!group」の悪評判…草間リチャード敬太が公然わいせつ容疑で逮捕の衝撃

  4. 4

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  5. 5

    ソフトB風間球打にはイップス疑惑…昨季のプロ野球“女性スキャンダル三羽ガラス”の現在地

  1. 6

    高市総裁は就任早々から人事で大混乱…女性応援団たちに“麻市内閣”ポストの目はあるのか?

  2. 7

    一発退場のAぇ!group福本大晴コンプラ違反に「複数人関与」疑惑報道…旧ジャニ“インテリ”枠に敬遠の風向き

  3. 8

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  4. 9

    崖っぷち渋野日向子に「日本人キャディーと縁を切れ」の声…外国人起用にこれだけのメリット

  5. 10

    くも膜下出血で早逝「ブラックモンブラン」41歳副社長の夫が遺してくれたもの…妻で竹下製菓社長が告白