「アンソーシャルディスタンス」金原ひとみ著

公開日: 更新日:

「アンソーシャルディスタンス」金原ひとみ著

 出版社勤務のミナは、同僚らが羨ましがるほどイケメンの行成と同棲中。しかし、ミュージシャンだった行成は、1年ほど前から精神の状態を崩し、家から出られなくなっていた。ミナは行成のために仕事の合間を縫ってメンタルクリニックに通い、彼の症状をそのまま虚偽申告して薬をもらう。

 一方で、出勤前に彼のために食事を用意し、これまで行成がやってくれていた洗濯や掃除までこなさなくてはならない。同僚の元恋人と寝ても癒やされず誰にも相談できず、毎日をやり過ごすために、ミナは日中から酒が手放せなくなってしまう。(「ストロングゼロ」)

 ほかにも、年下の恋人の若さがまぶしく、美容整形に走る35歳の愛菜など、ままならない日々を必死に生きる女性たちを主人公に描く作品集。

(新潮社 781円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    朝ドラ「あんぱん」教官役の瀧内公美には脱ぎまくった過去…今クールドラマ出演者たちのプチ情報

  2. 2

    中井貴一の“困り芸”は匠の技だが…「続・続・最後から二番目の恋」ファンが唱える《微妙な違和感》の正体

  3. 3

    大阪万博会場の孤島「夢洲」で水のトラブル続出の必然…トイレ故障も虫大量発生も原因は同じ

  4. 4

    渋谷区と世田谷区がマイナ保険証と資格確認書の「2枚持ち」認める…自治体の謀反がいよいよ始まった

  5. 5

    Kōki,主演「女神降臨」大爆死で木村拓哉がついに"登場"も リベンジ作品候補は「教場」か「マスカレード」シリーズか

  1. 6

    森友文書の一部欠落で財務省が回答…公表された概要リストに「安倍昭恵」の名前

  2. 7

    巨人阿部監督がオンカジ送検の増田大輝を「禊降格」しないワケ…《中心でなくても、いないと困る選手》

  3. 8

    早実初等部を凌駕する慶応幼稚舎の人脈網…パワーカップルを惹きつけるもう一つの理由

  4. 9

    オンカジ騒動 巨人オコエ瑠偉が「バクダン」投下!《楽天の先輩》実名公表に現実味

  5. 10

    迷走続く「マレリ・ホールディングス」再建…金融界の最大の懸念は日産との共倒れ