【対談】鈴木敏夫×権藤博 監督論から宮崎駿引退の真相まで

公開日: 更新日:

鈴「そうです。頭の中で思い描いたものを描こうとしてもできないんですよ。何回やってみても描けない。それが原因なんです。野球で言えば、もう投げられなくなったピッチャーみたいなもんですよね。『風立ちぬ』を作ってる間に本人が一番言ってた愚痴は、『若い時のオレが欲しい』ですから。あの引退記者会見の時に面白かったのが、『つらかったことは』って聞かれて、『監督は一回も楽しいと思ったことはなかった。でも、芝居を描く時は、たまにいいものが描けると本当にうれしかった』って。これ本心なんですよ」

権「あのくらいの人は分かるんですよ。プレーヤーと監督だったらプレーヤーの方が偉いって」

鈴「アニメーションって肉体労働なんです。1本の映画で17万枚くらいの絵を描くんですよ。監督はその17万枚をチェックしないといけない。1本の映画が2年でできるとして、1日に何百枚かの絵を描き、見なくてはいけない。それがつらくなったんです。ホント、肩ボロボロなんです。やり方変えればできるじゃないですかって言ってもね、できることはできるけど、本人が納得できない。うまいやつを連れてきてやってもらったこともあったけど、気に入らない。あそこまでやってきてもなお、絵描きとして尊敬を集めたいんです、監督としてではなく」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が楽天・辰己涼介の国内FA争奪戦に参戦へ…年齢、実績的にもお買い得

  2. 2

    号泣の渋野日向子に「スイングより、歩き方から見直せ!」スポーツサイエンスの第一人者が指摘

  3. 3

    囁かれていた「Aぇ!group」は「ヤベぇ!group」の悪評判…草間リチャード敬太が公然わいせつ容疑で逮捕の衝撃

  4. 4

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  5. 5

    ソフトB風間球打にはイップス疑惑…昨季のプロ野球“女性スキャンダル三羽ガラス”の現在地

  1. 6

    高市総裁は就任早々から人事で大混乱…女性応援団たちに“麻市内閣”ポストの目はあるのか?

  2. 7

    一発退場のAぇ!group福本大晴コンプラ違反に「複数人関与」疑惑報道…旧ジャニ“インテリ”枠に敬遠の風向き

  3. 8

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  4. 9

    崖っぷち渋野日向子に「日本人キャディーと縁を切れ」の声…外国人起用にこれだけのメリット

  5. 10

    くも膜下出血で早逝「ブラックモンブラン」41歳副社長の夫が遺してくれたもの…妻で竹下製菓社長が告白