(25)山菜を喰いに甲府まで
山梨県甲府に行きつけの店がある。多摩南西部の我が家からは八王子まで30分。中央本線の特急に乗れば1時間弱で甲府に着く。目的の店まで乗り換えや徒歩の時間を含めて、ほぼ2時間だ。ふと思い立って散歩する感覚で、電車を乗り継ぎ、文庫本など読みながら行けば、ちょっとした遠足になる。
店を知って、20年近くになる。その間、年に1回、多いときは2回くらい顔を出してきた。コロナ禍の間は一度も訪れていない。
初めて行ったとき、地菜という菜っ葉の炒めたのをいただいた。野沢菜に似た野菜でとてもうまかった。春には山菜、秋にはキノコ、山梨の地酒も並んでいる。店の名は「くさ笛」という。1964年にできたオリンピック通りという路地にある縄のれん。女将さんと、サポートの女性の二人で切り盛りしている。
私はこの春で63歳になるが、その私の母より2歳若い女将さんは、80代の後半だ。とにかく元気。いっときも休まず酒肴を作り、客に話しかけ、自分も少し、飲む。私はビールで始めて、酒は秋田の「高清水」と決めている。夏でも燗でやる。
















