日航機墜落29年 「人間ドラマ」で見せたフジ特番に評価の声

公開日: 更新日:

 すでに公表されていたボイスレコーダーの音源よりも鮮明に記録されたテープを入手。最新の技術でクリアにすることで、聞き取れなかった操縦室でのやりとりを再現した。さらに4人の生存者のひとりである吉崎博子さんの話をもとに、爆発音が起きてから墜落するまでの32分間の機内の様子を再現ドラマで振り返っている。

 改めて29年前を思い出した視聴者も多かっただろう。

 前出の小田桐氏が言う。

「最新のCG技術を駆使しながらも、番組づくりはオーソドックス。音源だけではイメージしにくい部分を再現ドラマとして映像化し、3組の乗客を軸とした人間ドラマにすることで、32分間の極限状態がどれほどのものだったのか、見る側の心に大きく訴えかける内容になっていた。事故解明の大事な手がかりとなるボイスレコーダーの内容紹介や、日航の現役機長、OBといった専門家の使い方も的確でした」

 過去にも手を替え品を替え、いろいろな切り口や演出で検証番組がつくられてきた。小説や映画の題材にもなっている。それでも、「歴史に残る事故を風化させないのはメディアの役割。とりわけテレビが取り上げることに大きな意義がある。無念の晴れない遺族の思いも配慮した上での番組制作は、報道機関の使命といっても過言ではありません」(小田桐氏)。

 見る側も作る側も、テレビ報道の意義を改めて考える機会となったのではないか。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い