「四季の歌」作詞の荒木とよひささんが語る“酒と音楽の日々”
例えば、バーのカウンターって、厚みが15センチとか20センチとか、なぜ必要以上にあるんだと思う? あれはね、バーというところは男が人生の重荷を下ろしていく場所だから、その重みに耐えられるように、厚くしつらえてあるんだよ。
それだけ男ってのは日々の暮らしの中で、口には出さないまでもさまざまな“荷物”を背負い込んでるってこと。そんな男たちが、安らぎのひと時を求められるのがバーだから、野暮なことはしないのが大人の流儀ってわけだね。
ボクはこんな夢を見たことがあるんだ。
アフリカのサバンナで果実が木々のウロに落ちて、それがいつしか発酵して酒になるの。あちこちからやってきた獣たちがそれを飲んで、夢心地になってね。ライオンの腕枕で猿が寝てたり、象やキリン、トラが一緒に踊ってる……。
酒って、本来はこんなことも可能にするんじゃないかな。みんながお酒で楽しめたら、きっと世界中から争いや戦争がなくなるだろうね。