椎名桔平「破裂」低視聴率も…主要人物“ほぼ男”ドラマの魅力

公開日: 更新日:

 土曜ドラマ「破裂」(NHK)は100%の男向けドラマで、おもしろい。

 エリートの心臓外科医が老化した心臓をよみがえらせる治療法を研究・実験しているところに、その療法の副作用(心臓の回復後、心臓が破裂して突然死に至る)に目をつけた官僚が「苦しまずに死ねる。超高齢化社会の解決法」と考え、悪用しようとする。

 シリアスな小説を読むような覚悟で見た方がいい難解さはあるが、医療の発達によって、寝たきりの老人が増えた現在では切実な“生と死”を問いかける大人のドラマになっている。

 何より主要人物のほとんどが男なのがいい。エリート医者に椎名桔平。悪徳官僚に滝藤賢一。治療法の実験台になる老人には仲代達矢。クセのあるおとなの役者が顔を揃え、椎名がそれぞれと対峙する芝居は見応えがある。

 病室で横たわる仲代に椎名は「実験台になるって言ったのアンタだろ!」と、出演していた「アウトレイジ」ばりの凄みで迫る。

 仲代は無気味にほほ笑んだり、味のある受けの芝居。滝藤は屋外で椎名に副作用を利用する案を持ちかけ、「“死ぬな”と言うのは時に“死ね”と言うより残酷だ……」と薄笑いで迫る。ストーリーとは別に芝居のやり合いも楽しめる。脇を固めるのも佐野史郎やモロ師岡とこれまたクセが強い。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    亡き長嶋茂雄さんの長男一茂は「相続放棄」発言の過去…身内トラブルと《10年以上顔を合わせていない》家族関係

  2. 2

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  3. 3

    「時代と寝た男」加納典明(17)病室のTVで見た山口百恵に衝撃を受け、4年間の移住生活にピリオド

  4. 4

    中居正広氏に降りかかる「自己破産」の危機…フジテレビから数十億円規模損害賠償の“標的”に?

  5. 5

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  1. 6

    “バカ息子”落書き騒動から続く江角マキコのお騒がせ遍歴…今度は息子の母校と訴訟沙汰

  2. 7

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  3. 8

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  4. 9

    「こっちのけんと」の両親が「深イイ話」出演でも菅田将暉の親であることを明かさなかった深〜いワケ

  5. 10

    長嶋一茂が父・茂雄さんの訃報を真っ先に伝えた“芸能界の恩人”…ブレークを見抜いた明石家さんまの慧眼

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも