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二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

スキャンダルも利用…狩野英孝はお笑いタレントの典型例

公開日: 更新日:

 今は「お笑いタレント」としてひとくくりにしている感があるが、芸人とタレントは本来、似て非なる者。違うはずである。芸人は伝統芸である落語、漫談を志し、昔は徒弟制度の下、師匠から芸を教わった。明石家さんまもしかり。弟子として鍛えられた下地があって今がある。

 時代は移り、芸人の宝庫「吉本」は養成学校で芸を学ぶ。女性問題でお騒がせの狩野英孝に芸という下地はない。狩野は俳優志望だったが、まったく芽が出ずタレントに転向。売るための手段としてホスト風のキャラクターをつくり、そこに「ツケメン・イケメン」というキャッチを加えて人気を得た。典型的なお笑いタレントに属する。

 音楽番組の衰退に代わって生まれたバラエティー番組。テレビ界と芸能界は需要と供給のバランス。必要なタレントを供給するために、キャラ優先でタレントを送り込む傾向にあった。結果、生まれたのが「一発屋」と呼ばれる人たちである。

 お笑いピーク時、大勢いた志望者に動機を聞くと、「いい家に住めて、いい車に乗って、女にモテる」と話す者もいた。確かに、売れれば夢は現実になる世界である。芸人は「落語をやりたい」というのが最初の動機。「家・車・女」は結果として付いてくるものである。実際、さんまはすべてを手に入れている。狩野もとりあえず「女にモテる」ことは手に入れた。結婚して数日後に浮気して離婚するなど、最たる例だろう。

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