映画「海よりもまだ深く」の是枝監督 ロケ地と家族を語る

公開日: 更新日:

(旭が丘)団地での撮影では、友達のお父さんやお母さんがみんな「コレちゃん」と言って集まってきまして。昔、プールに連れて行ってくれたお父さんたちが80歳以上になって、そこに一人で暮らしているのは不思議な感覚でした。

 大人になって、最初は仕事がキツかったのもあって母親は「安定した仕事に就いて、とにかく堅実に生きろ」「地方公務員に」と反対していました。でも、映画を撮るようになってからは逆に一番のファンになってくれました。母親って、生きているときはホント面倒くさいし、うるさいし、しつこい。でも、だんだん老いていくのを見るのは切ない。かといって一緒に暮らせない。「厄介だけど、かけがえのない」というのは家族を描くうえで気にかけていて、両方を描かないといけない。

■「実話もあるけど、あくまでフィクョン」

 あんな団地だったとはいえ「帰る場所がなくなる」とザワつくんです。「実家がなくなる」というのは、そんなに自分の中で大きかったんだと。めったに帰らないのに、なくなって初めて気付きました。だから、子供ができて自分が父親になり嫁さんが母親になったとき、少し安心したんです。家族はそうやって乗り合いバスみたいに役割分担が変わりながら、新陳代謝を繰り返しながら受け渡されるんだなと。頭で分かっていても、なって初めて自分が「鎖」のひとつになっていると分かりました。「歩いても 歩いても」(08年公開)のときはまだ僕に子供がいなくて、阿部さんは独身。今回は僕も阿部さんも父親。作品や役者の方も自分と一緒に年をとっていけるのはうれしいですね。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    北島三郎(3)「北島ファミリー」の長女・原田悠里が語る御大

  2. 2

    北島三郎(2)2018年に次男が急逝「息子だけど、音楽の、とても良い仲間でもあった」

  3. 3

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  4. 4

    中丸雄一「アパ密会」から2年で“冠番組”…禊は済んでも「元のポジション」には戻れないワケ

  5. 5

    菊池風磨はジャニー喜多川氏の“推薦”もあって慶大総合政策学部に進学 仕事の合間に1日10時間の猛勉強

  1. 6

    趣里「大空港」視聴率好調も評価は伸び悩み…父・水谷豊「相棒」後継への期待と“日本的な弱点”

  2. 7

    反町隆史「GTO」は視聴率3%台に…同じ“復活作”でも「プラダを着た悪魔2」と明暗分けた大きな違い

  3. 8

    伝説の『アメリカ横断ウルトラクイズ』来年復活へ 番組を取り巻く環境の激変で日テレに突きつけられた課題

  4. 9

    NHK夏の音楽特番「うたであえたら」は北川景子のMCが見事 カオスと化した近年の紅白はお手本に

  5. 10

    不倫問題の西武・源田壮亮に同情が集まる意外なワケ…妻・衛藤美彩の“幸せアピール”に疲れ果てた?

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    北島三郎(3)「北島ファミリー」の長女・原田悠里が語る御大

  2. 2

    豊昇龍が長期離脱で大の里までピンチ! “ひとり横綱”の重圧で「共倒れ」にならないか

  3. 3

    菊池風磨はジャニー喜多川氏の“推薦”もあって慶大総合政策学部に進学 仕事の合間に1日10時間の猛勉強

  4. 4

    北島三郎(2)2018年に次男が急逝「息子だけど、音楽の、とても良い仲間でもあった」

  5. 5

    SNSで大バズリ! 高市首相の「激ヤバ発言動画」発掘がブームに…中には悪質な切り取りも

  1. 6

    『ヘイ・ブルドッグ』ポールの見事なアドリブに感じるコーラスグループのすごみ

  2. 7

    有望高校球児の進路事情に異変! 青学大は「ドラフト指名と同等の価値」「明大より上」とプロスカウト

  3. 8

    KDDIが楽天モバイルへの「ローミング」終了でライバルの“品質低下”を狙い撃つ

  4. 9

    新庄日本ハム舵切り「2位シフト」 騙し騙し起用の万波中正をついに登録抹消

  5. 10

    東京・銀座、KK線再生で誕生、東京スカイコリドーは高さ8.5メートル天空の遊歩道