<中>世の中が“右へ倣え”の風潮の中、役者は何をすべきか

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 ただ、役者をやりたいっていう若い人には「あまりすすめられないな」と話しています。世の中全体が“右へ倣え”でキナ臭い方向に向かいつつある。このままエスカレートしていったら、芸術や芸能にとっても由々しき問題です。そうした危機感は常に持っていますが、これは戦友である小林稔侍も樹木希林も同じ。「あとのことは知らねえや」っていう気持ちが片一方にありながら、役者であり続ける限り、危機感を持って肥えた目を持つお客さんに応えられるような芝居を作り続けていかなければいけない。そんなふうに自分たちに課しているところがありますね。

 これからますます深刻になるかもしれない状況を打破するウルトラCは何か。残念ながら、僕はそれを持ち合わせていません。それでも悩んでいるうちに、似たような考えを持った人がきっと手を差し伸べてくれるだろうし、共感もしてくれるだろう。これからも折に触れ、忘れないようにしていきたいですね。何だか大それたことばかり言っているようで、お尻の穴がむずがゆくなってきましたよ(苦笑い)。
(つづく)

▽はしづめ・いさお 1941年、大阪府出身。文学座、劇団雲を経て、75年に演劇集団円の設立に参加。以降、舞台・映画・テレビ等幅広い分野で活動。27日、主演作「家族はつらいよ2」(山田洋次監督、松竹系)が公開。

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