<上>僕は随分長い間、2番手、3番手の俳優でした。でも…

公開日: 更新日:

 シリアスからコミカルまで、舞台、映画ドラマと土俵を選ばず、出演した作品で独特の存在感を放つ。俳優の橋爪功、75歳。役者の道を歩み続けてはや50年以上、決して平坦な道のりではなかったその半生を振り返る。

  ◇  ◇  ◇

 僕が役者だけで食べられるようになったのは、40歳を過ぎてからです。それまでいろいろなアルバイトもしましたし、他人様に迷惑をかけたりもしました。ただ、役者を辞めようと思ったことは一度もありませんね。

 40代になったころから、テレビドラマのプロデューサーや監督が「この役はヅメさんしかできないから頼むんだよ」などと持ち上げながらオファーをいただくようになりました。ですが、よくよく見たら台本の一部が黒く塗り潰されていたり、何かを貼って修正されたりしている。そんな経験は一度や二度ではありません。これが何を意味するかというと、他の役者が断ったからこちらにお鉢が回ってきたということなんです。

 たいがいは周囲から毛嫌いされるような小悪党の役ばかり。ヒールとかヒーローとか大きな役ではありません。それでも制作側には第1、第2の候補がいる。そんなお目当ての役者に断られ、その次の役者に声をかけたものの難色を示されて、いよいよ撮影が迫ってきて、もう僕しかいないっていう時にオファーがくるわけです。僕は随分長い間、2番手、3番手の俳優でした。でも、それがうれしかった。あ、またあいつ断ったなって思うと余計に燃えちゃう。台本以上に鼻持ちならない役にしてやろうって気合が入るんです。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    萩本欽一〈34〉私の“運”論 大谷翔平のカネを使い込んだ通訳に「小さな声で『ありがとう』」

  2. 2

    強いショック状態の清水アキラに心配の声…子供を亡くした神田正輝らもたどった遺族ケアの道のり

  3. 3

    中村倫也が「風、薫る」に大貢献…妻・水卜麻美アナとの「ずっと仲良く」「にこやかな」近況

  4. 4

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  5. 5

    高橋成美「渋幕→慶応」だけでは読み解けないズバ抜けた回転の速さ 世界選手権ペアで日本人初の銅メダル

  1. 6

    佐藤二朗は信州大経済学部から就職氷河期にリクルートに入社も、わずか1日で辞めて役者の道へ

  2. 7

    中居正広氏が熊本地震被災地を支援と報道 引退後も変わらないチャリティー精神と芸能界復帰の可能性

  3. 8

    松本若菜「ジュラシック・ワールド」吹き替え《棒読み》論争再燃…暗雲漂う主演ドラマに新たな逆風

  4. 9

    「恩人だけど、嫌いな人の代表」亡くなった板東英二さんが複雑な感情を抱いたプロデューサーの名前

  5. 10

    三男・清水良太郎さん急死で清水アキラ沈痛…8年越しの「父子再共演」が始まったばかりだった

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    八王子実践・河本ロバート監督「ライブや家族旅行も、事前に相談があれば休ませます」

  2. 2

    萩本欽一〈34〉私の“運”論 大谷翔平のカネを使い込んだ通訳に「小さな声で『ありがとう』」

  3. 3

    中居正広氏が熊本地震被災地を支援と報道 引退後も変わらないチャリティー精神と芸能界復帰の可能性

  4. 4

    高橋成美「渋幕→慶応」だけでは読み解けないズバ抜けた回転の速さ 世界選手権ペアで日本人初の銅メダル

  5. 5

    東京・赤羽、先行する第1地区に110メートル級、せんべろの1番街が丸ごと潰される危機

  1. 6

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  2. 7

    国害SNSを告発 森山裕・自民党前幹事長「高市おろし」キーマンに急浮上の裏…不快感に国境なし

  3. 8

    年金生活者を悩ませる墓問題 維持費も「墓じまい」の費用も払えない人はどうすればいいのか?

  4. 9

    「墓じまい」に悩むシニア 費用や遺骨の始末より問題になる「家族の愛憎問題」

  5. 10

    松本若菜「ジュラシック・ワールド」吹き替え《棒読み》論争再燃…暗雲漂う主演ドラマに新たな逆風