桂あやめさん 西川死刑囚に襲われた衝撃体験を振り返る

公開日: 更新日:

「女性を4人も殺した殺人犯だと分かったとたん、また震えが起こりましたね」

 事件は翌日の新聞の1面に大きく掲載され、殺された4人の女性の写真の横に花枝の写真があったのを見て、改めて生きていることに感謝した。師匠の文枝が吉本興業所属なので花枝も所属している。吉本のお膳立てで記者会見が開かれた。首の周りに痣が残っていて痛々しかったが、そこは落語家だ。「これまで吉本の芸人の記者会見といえば、たいてい加害者だったのが、被害者としての会見は初めてだとマネジャーに言われました」とギャグをかまして、報道陣を笑わせた。

 記者に「よく助かりましたね」と言われたので、「首を左右に動かす落語の稽古で筋肉が鍛えられたおかげで助かった」と答えた。実は冗談でなく、診察した医者に「もうちょっと首が細かったら危なかった」と言われた事実がある。

 花枝は高座でも事件の体験談をまくらでしゃべって大いに笑わせた。

「大阪人は嫌なこと、困ったこと、悩みごとがあったら、自分からネタにして笑い飛ばす。それが一番の解決法なんです。私も笑いにすることで『自分は元気なんだ』とアピールしたかった。同情は嫌、被害に遭った可哀想な人でいたくない。演歌歌手なら泣き落としでいいでしょう。『首を絞められました。殺されそうになりました。でも生きてます。聞いてください。桂花枝さんの新曲です』なんてね。でも落語家はそうもいかない。お客を笑わすのが職業なんですから」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    小室圭さん年収4000万円でも“新しい愛の巣”は40平米…眞子さんキャリア断念で暇もて余し?

    小室圭さん年収4000万円でも“新しい愛の巣”は40平米…眞子さんキャリア断念で暇もて余し?

  2. 2
    メジャー29球団がドジャースに怒り心頭! 佐々木朗希はそれでも大谷&由伸の後を追うのか

    メジャー29球団がドジャースに怒り心頭! 佐々木朗希はそれでも大谷&由伸の後を追うのか

  3. 3
    若い世代にも人気の昭和レトロ菓子が100均に続々! 製造終了のチェルシーもまだある

    若い世代にも人気の昭和レトロ菓子が100均に続々! 製造終了のチェルシーもまだある

  4. 4
    巨人にとって“フラれた”ことはプラスでも…補強連敗で突きつけられた深刻問題

    巨人にとって“フラれた”ことはプラスでも…補強連敗で突きつけられた深刻問題

  5. 5
    長渕剛の大炎上を検証して感じたこと…言葉の選択ひとつで伝わり方も印象も変わる

    長渕剛の大炎上を検証して感じたこと…言葉の選択ひとつで伝わり方も印象も変わる

  1. 6
    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  2. 7
    「監督手形」が後押しか…巨人入り目前から急転、元サヤに収まった真相と今後

    「監督手形」が後押しか…巨人入り目前から急転、元サヤに収まった真相と今後

  3. 8
    東京15区補選は初日から大炎上! 小池・乙武陣営を「つばさの党」新人陣営が大音量演説でヤジる異常事態

    東京15区補選は初日から大炎上! 小池・乙武陣営を「つばさの党」新人陣営が大音量演説でヤジる異常事態

  4. 9
    高島彩、加藤綾子ら“めざまし組”が大躍進! フジテレビ「最強女子アナ」の条件

    高島彩、加藤綾子ら“めざまし組”が大躍進! フジテレビ「最強女子アナ」の条件

  5. 10
    「救世主にはなり得ない」というシビアな見方…ピーク過ぎて速球150キロ超には歯が立たず

    「救世主にはなり得ない」というシビアな見方…ピーク過ぎて速球150キロ超には歯が立たず