著者のコラム一覧
飯尾和樹

1968年、東京生まれ。お笑いコンビ「ずん」のボケ担当。小さめの目と大きめの耳とカリフラワーとパクチーが苦手な舌と、10代、20代で培った女性に告白してもこりゃちょっと振られるなと分かる察知能力を持つ48歳。

手を洗わない飯尾少年が痛い目を見た「虎の尻尾師匠<下>」

公開日: 更新日:

 ペッコリ45度、ずん飯尾和樹です。梅雨に入り、父親譲りのクセっ毛が暴れてますが、いかがお過ごしですか? ん~手紙風! 前回に引き続き、虎の尻尾師匠とまいりましょう~。

 自分の幼き頃の飯尾家は母が「手洗った? 早く寝なさい! 起きなさい!」などと家の風紀委員みたいな感じで「うるさいなぁ~」と生意気に口答えするっていうどこの家庭にもありがちな親子ラリーを繰り広げておりまして。でもって、ある日の夕暮れ、いつものように「ご飯よ~」と母親の呼び声とともに食べ盛りの飯尾少年は真っ先に席に着き、コロッケ&メンチを前にテーブルにくぎ付けになっていたわけです。すると、風紀委員が、ひと言。

「手洗ってきなさいよ!」

 飯尾少年は「うるさいなぁ~」も返さずにそのまま粘って座ってるとヌ~ッとソファから立ち上がり、スタスタと近づいてくる雄の虎が……そう彼が飯尾少年のクセっ毛の遺伝元、父親であります。あっ、なんか踏んじゃったかなと思う暇なくゴツン! 頭部に地球上の恐竜が絶滅したという巨大隕石という名の父のゲンコツが、地球という名の飯尾少年の頭部に落ちたのです! そりゃ~もう、しし座流星群並みの星が舞った瞬間に気付いたのです。よっ出ました! 虎の尻尾師匠! そして巨大隕石の拳を持つ虎、失敬! 親父は「返事は? 手は洗ったのか洗ってないのかどっちだ?」。それはもう泉の女神が落としたオノの色を聞く優しさは1ミリグラムも入っておらず、飯尾少年にはこう聞こえました。

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