著者のコラム一覧
クロキタダユキ

アンカーウーマン(1996年、米国)

公開日: 更新日:

 田舎娘タリーは、TVニュース番組のアンカーを夢見てマイアミへ。採用されたローカル局で、上司ウォーレンの雑用係として働く。そんな2人が成長していく過程を描く。

 ラブストーリーだが、実話をベースにしているせいか、ベタベタ感がない。ロバート・レッドフォード演じる元トップアンカーのウォーレンは、キザでも頑固でもなく、いつも自然体でカッコいい。公開当時、クールビューティーだったミシェル・ファイファーはタリー役で、コケティッシュな魅力を前面に出す。

 そんな2人はやがて恋に落ち、上司は「キミの夢を奪うような男に、俺はならない」と部下をサポート。その影響で女性部下は都会的な美人へと磨かれていき、上司は仕事のモチベーションを上げる。多忙な彼を気遣った彼女の言葉に返した言葉がコレだ。

 劇中流れるセリーヌ・ディオンのヒット曲「ビコーズ・ユー・ラブド・ミー」が物語をさらに盛り上げ、心地良い気分に浸れる。女は男で変わり、男は女で若返ることをポップに軽く表現している。

 リポート中のタリーが刑務所の暴動に巻き込まれるサスペンスシーンもあり、物語にはメリハリが利いている。テンポも良く、観賞後はスッキリした気分になれる。面白いラブストーリーだ。

 夫婦やカップルで見ると、出会った頃の恋人気分を思い出すだろう。何度でも見たくなる名作だ。

【連載】セリフ1つ読む映画

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし