著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

膝の痛みに「装具」は有効か? 英国医師会誌に報告

公開日: 更新日:

 「変形性膝関節症」は、中年以降では非常に一般的な病気です。膝の関節の軟骨が弾力を失ってすり減ることにより、関節に炎症が起こり、水がたまり、膝に痛みが起こります。最初は歩き始めなどだけの痛みですが、進行するとじっとしていても痛みがあり、膝を伸ばせないような状態になります。

 その治療は初期であれば関節に注射をしたり、太っている人であれば減量したり、運動療法なども有効ですが、進行すると手術をする以外には有効性のある治療はありません。

 しかし、手術は体への負担が大きく、合併症などのリスクもゼロではありません。もっと簡単に出来て、有効な治療はないのでしょうか?

 膝の「装具」は、筋肉や靱帯の働きをサポートして、膝の痛みを和らげるような効果が期待される方法のひとつです。ただ、その有効性については、これまであまり科学的な検証が行われていませんでした。今年のブリティッシュ・メディカル・ジャーナルという一流の医学誌に、膝の装具を使用した場合とそうでない場合とで、症状の変化を比較した研究結果が報告されています。

 それによると、装具の使用により、半年後までは若干の症状の改善が認められましたが、1年後にはその効果は明確なものではなくなっていました。装具は安全な治療として、短期的には一定の効果が期待出来ますが、あまり長期間持続するものではないようです。

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