著者のコラム一覧
クロキタダユキ

ジュピターズ・ムーン(2017年、ハンガリー、ドイツ)

公開日: 更新日:

 シリア難民の少年アリアンは父と一緒にハンガリーを目指して逃亡。彼らが置かれた現状は、身につまされるような劣悪な状況の連続だ。本当にそんな状況なのか。カンヌで絶賛されたSFドラマは、冒頭から引き込まれる。

 必死に走って国境に近づくが、父とはぐれた上、警備隊の違法銃撃により瀕死の重傷を負う。そのピンチで手に入れた不思議な能力が、空中浮遊だった。フワフワと舞う映像を映画館のスクリーンで見たら、本当に吸い込まれそうになるはず。高所恐怖症の身には正直、ゾッとした。

 特殊能力に気づいた医師は、彼を利用して金儲けを企むが、自分の過失をもみ消したい警備隊の刑事に2人は追いつめられていく。

 刑事からの逃亡劇は、リアルなカーチェイスを絡ませたりしながら、手に汗を握る展開だ。一昔前のハリウッド的なアクション映画に影響を受けたようなスリリングな映像は、CG映像を見慣れたボクにも新鮮で、目が離せない。

 途中の駅爆破テロで少年とはぐれた医師は、救急車の中で刑事と話す。無神論者で粗暴な刑事に放った言葉だ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋