「未完の対局」侵略戦争に翻弄される父と子の悲劇

公開日: 更新日:

 易山が息子を日本に預けたのは明らかに判断ミスだった。いくら囲碁バカでも山東出兵や張作霖爆殺事件といった事実を見れば、日本軍のきな臭い悪計を見抜けたはずだ。ラストで幼い孫娘の華林(伊藤つかさ)が放ったセリフこそが悲劇の真実である。

 巴は阿明殺害のあと憲兵隊から解放されるが、すでに発狂していた。憲兵や特高警察が女性に性的な拷問を加えたことはよく知られている。巴も犠牲者なのだろう。残酷な時代だった。

 公開時、劇場で右翼の妨害があったという。もし今、本作がリメークされたら、ネトウヨから在特会、戦闘服を着た稼業の方々までが暴れだすだろう。そういう意味で貴重な一作だ。

 (森田健司/日刊ゲンダイ

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    北島三郎(3)「北島ファミリー」の長女・原田悠里が語る御大

  2. 2

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  3. 3

    「マクドは健康保険と年金に加入できてよかった」 シニアが働き続けるために必要なこととは?

  4. 4

    東京・蒲田の2駅結ぶ蒲蒲線、大田区と地元を取材して分かった実現のハードルと地元の思い

  5. 5

    NHK夏の音楽特番「うたであえたら」は北川景子のMCが見事 カオスと化した近年の紅白はお手本に

  1. 6

    菊池風磨はジャニー喜多川氏の“推薦”もあって慶大総合政策学部に進学 仕事の合間に1日10時間の猛勉強

  2. 7

    KDDIが楽天モバイルへの「ローミング」終了でライバルの“品質低下”を狙い撃つ

  3. 8

    豊昇龍が長期離脱で大の里までピンチ! “ひとり横綱”の重圧で「共倒れ」にならないか

  4. 9

    徳川光圀(1)水戸黄門は全国漫遊などしていない 主に出かけたのは江戸と領地の往復

  5. 10

    永野芽郁がキャバ嬢で「復帰」もM!LKファンやきもき…共演するかもしれない佐野勇斗への“キラー”ぶり警戒