がん対策に「運動」を強く推す理由…「みんなで筋肉体操」の教授に聞いた
運動はがんに効くのか──。実は、運動ががん治療に良い影響を与えることは多くの研究で示されている。NHK「みんなで筋肉体操」で知られる順天堂大学スポーツ健康科学部・谷本道哉教授は、その認知を高めるため、医師、研究者、トレーニング指導者らと「がんと運動ワーキンググループ」を今年3月に発足。8月30日には早稲田大学で市民公開講座(囲み、ポスター参照)を開く。
「『がんと運動ワーキンググループ』の発足のきっかけとなったのは、昨年11月、妻に進行がんが見つかったことでした」(谷本教授=以下同)
薬物治療が行われることになったが、余命中央値(患者の半数が亡くなるまでの期間)は約2年という厳しい内容だった。ただ、中央値はあくまでも中央値。もっと長く生きる人もいれば、短い人もいる。
谷本教授は2024年から東海大学医学部・岡田健一教授とがん治療中における運動効果について共同研究を行い、がんと運動に関するエビデンスに精通していた。そこで妻に対し、標準治療の薬物治療と並行し、治療を支える取り組みとして、運動と食事管理を徹底して行った。その影響もあったのか、幸いなことに薬物治療は非常によく効いたという。
「米国臨床腫瘍学会のガイドラインでは、がん治療中や治療後の患者へ運動を推奨しています。一方、日本ではがん患者に対する運動の実施はまだ十分には広がっていません。その状況を変えたいと、ワーキンググループの発足に至ったのです」


















