「ゴッドファーザー PARTⅡ」戦国時代と被るマフィア抗争

公開日: 更新日:

1974年 フランシス・フォード・コッポラ監督

「ゴッドファーザー」(1972年)の続編でロバート・デ・ニーロの出世作。「PART Ⅱ」という言葉は本作から広まった。続編も高評価を受けた映画はこれが初めてといっていい。

 前作で父ビトー・コルレオーネの跡目を継いだマイケル(アル・パチーノ)がモー・グリーンら実力者たちを抹殺したため、そのつけが回ってくるのが物語の主軸。キューバ革命や上院委員会での追及などに若きビトーの成功物語と復讐劇がかぶさる。全編が見せ場の連続だ。

 マイケルが寝室で銃撃されるのがストーリーの発端だ。勘のいいマイケルは大親分のハイマン・ロス(リー・ストラスバーグ)が黒幕と気づきながら、ロスにトラブルの解決を相談。窮鳥が猟師の懐に飛び込んだのはいいが、襲撃を手引きしたのが兄のフレドだと気づいてがくぜんとするのだ。

 マイケルの窮状を「満つれば欠ける」と単純化する見方もあるが、実兄と老臣を軽んじたことで人間関係がこじれ、老獪なロスにつけこまれたと考えたほうが分かりやすい。そういう意味で失敗学の参考書でもある。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった