著者のコラム一覧
本郷和人歴史学者

東大卒。藤田医科大学特命教授・同大学リベラルアーツセンター長、元東京大学史料編纂所教授。近著に「インテリジェンス関ヶ原」(文芸新書)。

源義経(1)一ノ谷の戦いで「鵯越の逆落とし」は本当にやったのか

公開日: 更新日:

 寿永3(1184)年、一ノ谷の戦いが起きました。治承4(1180)年に始まった源平の戦いは、すでに4年を迎えていました。

 東国では源頼朝が勢力を固め、北陸から京都へ進出した木曽義仲も平家を追い詰めます。ところが、ここからは源氏同士の対立が始まり、事態は混迷の度を深めていきます。

 木曽義仲に攻められて一度は都を落ちた平家軍は、西国で勢いを取り戻し、本拠地の一つである福原、現在の神戸付近まで押し返しました。

 一方、源範頼と義経に率いられた鎌倉の軍勢は、木曽義仲を打ち破って京都に入り、態勢を整えたのち、平家討伐に向かいます。

 両軍は福原周辺、東の生田口、西の一ノ谷口などで激突しました。

 この戦いで有名なのが、源義経の「鵯越の逆落とし」です。義経は険しい山道を進み、馬でも下るのが難しいほどの崖を駆け下り、平家軍を背後から奇襲した。予想外の方向から攻撃された平家軍は大混乱に陥り、一ノ谷で敗北。多くの将兵を失い、海上へ逃れて四国の屋島へ落ちていった--。これが、私たちのよく知る物語です。

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