(1)17年間自宅…昼夜逆転し、テレビゲームに没頭していた44歳男性
「同級生は皆就職しているのに、自分は外にも出られず何もできない……。そのギャップに打ちのめされ、自信を失い外に出ることが不安でした。愛犬といる時だけが心の安らぎでした」
44歳の男性Aさんは、ひきこもっていた頃の心境をこう話してくれました。Aさんは中学2年時の不登校がきっかけで、17年間自宅にひきこもる生活を続けていました。昼夜が逆転し、毎日テレビゲームに没頭し、酒を飲んで現実逃避をしていたといいます。
Aさんのように10代の頃から長期間ひきこもっている例は決して少なくありません。なかには20年、30年とひきこもる例もあり、ひきこもりの「高齢化」が進んでいると言われています。
ひきこもりは6カ月以上、社会参加をせずにほとんど外出しない状態を指しますが、一般に知られるようになったのは1990年代。91年には厚生省(当時)が「ひきこもり・不登校児童福祉対策モデル事業」を開始し、ひきこもりは社会問題として認知されていきました。
98年には精神科医の斎藤環医師が「社会的ひきこもり」という言葉を使って青少年のひきこもりを個人の問題ではなく、家族、社会の問題として分析し話題になりました。メディアでもひきこもり問題はたびたび取り上げられ、行政も支援に力を入れてきましたが、その数は一向に減少せず、コロナ下で増加したと言われています。


















