KDDIが楽天モバイルへの「ローミング」終了でライバルの“品質低下”を狙い撃つ
KDDIの松田浩路社長は8月7日の決算発表の記者会見で、楽天モバイルに対して携帯電話通信網を貸し出す「ローミング」契約を9月末の期限で終了する方針を明らかにした。
10月以降は都市部での提供を打ち切り、楽天の基地局整備が遅れている一部の地方などに限って「一定期間継続する」という。
KDDIは2019年10月から7年間にわたり、携帯事業に参入した楽天にローミングを提供してきた。楽天は高速大容量の通信規格「5G」の基地局整備が遅れており、それを補う役割を果たしてきたわけだ。
これに対して、楽天グループの三木谷浩史会長兼社長は8月10日の決算説明会で、「楽天のモバイル事業はKDDIのローミングを受けながら始めた事業だ」と振り返り、「NTTの独占を切り崩して通信の民主化を起こすという趣旨に賛同してもらえたことに感謝する」と述べた。
今回のローミング契約の終了は楽天グループにとって二面性を持つ。
楽天モバイルの営業費用のうち、KDDIへ支払うローミング費用(接続料)は、これまで大きな負担となってきた。市街地エリアでのローミングが終了すれば、年間数百億円に及ぶKDDIへの支払い費用が大幅に削減されることになり、モバイル事業の営業赤字縮小、連結最終黒字化に向けた強力な追い風となる。楽天モバイルの第2四半期(4~6月期)決算は、契約回線数が1075万回線まで急増し、売上収益も1013億円(前年同期比11.9%増)を記録するなど好調が際立っている。本業のキャッシュ創出力を示すEBITDAは59億円の黒字を確保した。


















