著者のコラム一覧
てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

スベっても前に 霜降り明星せいやの強い心を培った「体験」

公開日: 更新日:

 中学の教室ならそれでドッと笑いが起きるはずだった。しかし、クラスメートは誰も、せいやがどんな人間なのかを知らない。知らない男が急に意味不明のことを叫んでいるだけ。だから、思いっきりスベってしまったのだ。

 この日を境にイジメが始まった。翌日学校に来ると、自分の机が逆さまに置かれていたのだ。だが、せいやはめげない。「さあ、勉強しようか。……できるか!」とノリツッコミをするのだ。しかし、やはり全然ウケなかった。そんな日々は続き、ストレスでハゲだした。それでも明るく振る舞うことをやめなかった。

 転機になったのは、文化祭だった。クラスで演劇をやることになり、面倒なことはアイツにやらせようと、せいやが脚本を書くことになった。せいやはチャンスだと思った。1日で書き上げ、それを披露すると大ウケ。結果、学校で1番大きな賞を取り、クラスメートから大きな「石川(=せいや)」コールが鳴り響いた。

「僕は笑いでイジメをはね返したぞ!」

 せいやが感情を爆発させると、体育館は映画のように沸き返った。その日からクラスでの立ち位置が劇的に変わったのだ。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    「高市早苗首相」誕生睨み復権狙い…旧安倍派幹部“オレがオレが”の露出増で主導権争いの醜悪

  4. 4

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  5. 5

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  1. 6

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  2. 7

    パナソニックHDが1万人削減へ…営業利益18%増4265億円の黒字でもリストラ急ぐ理由

  3. 8

    ドジャース大谷翔平が3年連続本塁打王と引き換えに更新しそうな「自己ワースト記録」

  4. 9

    デマと誹謗中傷で混乱続く兵庫県政…記者が斎藤元彦県知事に「職員、県議が萎縮」と異例の訴え

  5. 10

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず