“クリーンでいい人芸人”サンドウィッチマンの悩ましい本音
お笑いコンビ「サンドウィッチマン」の進撃が止まらない。先月発表の認知度と関心度から算出される「2019タレントパワーランキング総合」(「日経エンタテインメント!」発表)ではマツコ・デラックス(2位)や綾瀬はるか(3位)をおさえ、初の1位に輝いた。こわもてな見た目とは裏腹に〈クリーンでいい人〉なイメージが定着している伊達みきお(44)と富澤たけし(45)だが、揃って口にしたのは悩ましい心情だった。
伊達 本音を言うと、好感度はもう大丈夫。というか、これ以上、上がると正直困っちゃうんですよ(苦笑い)。
富澤 プレッシャーにもなるし、余計なことまで考えなきゃいけなくなっちゃう。
伊達 そうそう。芸人って、キワキワなほうが面白かったりするじゃない? もともと俺らはそういう芸風でもあるし、「いい人」って言われると何かがやりづらくなる。
富澤 ありがたいことだけど、大変だなって思ったりもするよね。
伊達 ロケ中などでどう考えても応じられない状況の時に写真撮影を断ると“思っていたのと違う”なんて感じる方もいらっしゃるからね。
それもこれも、人気売れっ子芸人がゆえの弊害というべきか。2007年のM―1グランプリで王者となって以降、サンドウィッチマンの2人は着実に活躍の場を広げてきた。現在のレギュラー番組は、テレビが12本、ラジオが4本。定期的なお笑いライブへの出演も欠かさない。まさに寝る間を惜しんで精力的に活動しているように映るが、「30代ちょっとまで(活動していても)寝てたようなもの。寝だめもばっちりだから大丈夫」(伊達)とにんまり。こういう気さくな受け答えがお茶の間だけでなく、制作陣からも支持されるのだろう。
27日放送の「六本木に井戸を掘る!」(テレビ東京、13時10分~)ではMCを務める。同局の人気レギュラー企画「緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦」の発展系ともいえる企画だが、「スタッフさんに聞いたら『企画を出したら通っちゃったんですよ』って言うんですよ。だから、思わず『じゃあ、なんで出したんですか?』って聞き返しました。でも、何かが出てくるかもしれないっていうのは冒険心がくすぐられる。もしもこの企画が続くようなら、それはもう責任と覚悟をもって、テレ東の敷地内を掘ってもらいたいですね」(富澤)。
取材日当日は井戸が掘られた天祖神社(港区六本木)にて、その一部始終を撮影したVTRを見ながら収録に参加。また梅雨寒の中で傘を差しながら、井戸からくんだばかりの水を張ったタライに両足を入れ、井戸水でキンキンに冷えたスイカをおいしそうに頬張った。そんな2人を見ていたら、さらにレギュラー番組が増えるのも時間の問題か……と思えてくるのだった。
(取材・文=小川泰加/日刊ゲンダイ)