プロフィル「趣味・喧嘩」記載で格闘技のリングアナに抜擢

公開日: 更新日:

 当時も今もそうだが、二つ目の落語家はそんなに仕事があるわけでない。柳家かゑる(馬風の当時の芸名)も例外ではなかった。対照的に、同期の朝太は入門後たった5年で真打ち昇進。古今亭志ん朝を襲名し売れまくっている。

「こっちがまだ二つ目のペーペーなのに、志ん朝はNHKのドラマ『若い季節』のレギュラーに抜擢されるわ、バラエティー番組にも出るわで、落語界の寵児といわれた。24、25歳でアルファロメオとかいうオープンカーの外車を乗り回してるんだから、こっちはひがむどころじゃねえ。ただ、あいつが偉いのは、売れてるからって仲間を見下したりしないこと。それによくごちそうしてくれた。いいやつだったよ」

 暇なかゑるに思いがけない仕事が舞い込んだ。キックボクシングのリングアナウンサーの仕事である。

「当時テレビ朝日(NET)のアナウンサーで、末広亭からの寄席中継の司会者だった馬場雅夫さんが、キックボクシングのプロモートをしてた野口ジムの野口修会長と親しかったんだ。それで馬場さんがリングアナをやってた。ところが、TBSで中継をすることになった。テレ朝の社員が他局に出るわけにいかねえや。代わりを探そうと、馬場さんが演芸番組に出る若手落語家のプロフィルを見てたら、俺のとこに『趣味・喧嘩』って書いてある。こいつは顔がでかいし、声も大きい。格闘技のリングアナにピッタリだてんで、白羽の矢が立ったわけよ」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 2

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  3. 3

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  4. 4

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  5. 5

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    今度は横山裕が全治2カ月のケガ…元TOKIO松岡昌宏も指摘「テレビ局こそコンプラ違反の温床」という闇の深度

  3. 8

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    大谷翔平のWBC二刀流実現は絶望的か…侍J首脳陣が恐れる過保護なドジャースからの「ホットライン」