古典落語だって当時は新作 そう考えると「同時代落語」は

公開日: 更新日:

 柳家花緑は落語界を牽引する花形落語家のひとりである。祖父が先代柳家小さん、叔父が現・小さんという血筋もあり、若くして真打ちに昇進し人気が出た。しかし、サラブレッドならではの苦悩や意外なコンプレックスがあり、決して順風満帆ではなかった。真打ち昇進後、試行錯誤していた時期があったが、近年は吹っ切れたような活躍を見せている。まずは、好評を博す「同時代落語」について語ってもらおう。

「古典落語だって出来た当時は新作落語だったわけです。演者もお客さまも着物を着て座布団に座っていた。そう考えると、今現在新しい落語を演じるとしたら、着物に座布団じゃないだろう。洋服で椅子に腰掛けるのが当たり前なんじゃないか。そういう発想で始めたのが同時代落語なんです」
 つまり、時代に合わせて洋服姿で新作落語を演じたわけだ。
「きっかけになったのはフジテレビの『とくダネ!』で、『温故知人』というコーナーを始めたことです。人物のエピソードを3分で紹介するんですが、着物でやって欲しいと依頼されたのを、洋服でやらせて欲しいと頼んで、スーツでスツールに座ってやりました。これを毎週2年半続けたことで、腰掛けてしゃべるスタイルに慣れてきて、自分の落語会でそのスタイルで新作落語をやってみました」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    長瀬智也が国分太一の会見めぐりSNSに“意味深”投稿連発…芸能界への未練と役者復帰の“匂わせ”

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  5. 5

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  3. 8

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  4. 9

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  5. 10

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…