著者のコラム一覧
ダンカンお笑いタレント・俳優・放送作家・脚本家

本名・飯塚実。1959年、埼玉県毛呂山町生まれ。落語家を目指し立川談志に弟子入り。「立川談かん」として活動した後、たけし軍団入り。お笑いタレント、俳優、放送作家、脚本家と多才で、現在はTAPの専務取締役。

たけしさんが棺に腰かけ…お父ちゃん、死んでよかったねェ

公開日: 更新日:

 と思ったら、隣の洋間からギターの音と爆笑の声が……実は林家ぺー、パー子さんも来てくれて通夜を手伝う近所のオバちゃんたちに、こともあろうにギターの漫談を披露し、パー子さんは相変わらずの「いやだ~」を連発!! 冷静に考えたらこっちが「いやだ~!」だよ。

 しかも、その後、かなり遠方よりドドドド……とまるで爆撃機でも飛来したかのような爆音が聞こえてきたと思ったら、フライトジャケットマニアなら、知らない人はいない旧リアルマッコイズの創始者の一人で、日本を代表するスティーブ・マックイーンマニアであり、画家の岡本博氏が、たけしさんの番組を担当する制作会社イーストのプロデューサー、吉田宏氏とともに、サーキットで走るようにもともと造られたんでしょう(多分?)のスーパー7で、普通にフライトジャケットで登場したのだった。

 そんなひっちゃかめっちゃかが続き、通夜の夜は終始たえない笑いの中、ふけていったのだった……。

 あれから30年近くの歳月が流れたが、いまだに実家に帰り、知り合いと話すとあの夜のことが話題にあがり、そこから父親の生前の話へと続いていくのである。そのたび、30年経ってもまだみんな父親のことを忘れないでいてくれる、これもすべてあの夜のたけしさんはじめ仲間の気遣いがあったからであろうと感動し、心の中でそっと呟くのだ。「お父ちゃん、忘れられていないことはまだ生きてるのと同じだよ! よかったね!!」と……。

 すると「当たり前だろ。なんてったってビートたけしに棺に座られた男だぞ!!」という声がいつも聞こえてくるのである。 (つづく)

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    マエケンは「田中将大を反面教師に」…巨人とヤクルトを蹴って楽天入りの深層

  3. 3

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 4

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  5. 5

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  1. 6

    陰謀論もここまで? 美智子上皇后様をめぐりXで怪しい主張相次ぐ

  2. 7

    白木彩奈は“あの頃のガッキー”にも通じる輝きを放つ

  3. 8

    渋野日向子の今季米ツアー獲得賞金「約6933万円」の衝撃…23試合でトップ10入りたった1回

  4. 9

    12.2保険証全面切り替えで「いったん10割負担」が激増! 血税溶かすマイナトラブル“無間地獄”の愚

  5. 10

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?