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井上トシユキITジャーナリスト

1964年、京都市生まれ。同志社大学文学部卒業後、会社員を経て、98年からジャーナリスト、ライター。IT、ネット、投資、科学技術、芸能など幅広い分野で各種メディアへの寄稿、出演多数。

「言いたい放題投稿する行為そのもの」を自制させるべき

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 謝ったのだから許してやれ、という意見もあるだろう。実際に藤井のもとには謝ったのにかわいそうというコメントも来ていたという。

 特に日本では、相手が謝ったらいったん矛を収めるものだと言われやすい。訴訟大国アメリカで活動するだけに、藤井の姿勢は日本人離れしていると映る人もいるに違いない。

 だが、法的な裁きを受け、社会的な制裁を加えられるのは、法治国家なのだから当たり前といえばそうだ。現行法だけでは炎上対策として不十分だとの声も多く、新たな法整備を政府が検討しているとの報道もある。

 しかし、法律を新たにつくることだけで、本当に炎上による被害者が減るのだろうか。木村花さんのように、誹謗中傷を真正面から受け止めてしまい、心が折れてしまう炎上被害者は、非匿名化や厳罰化により、表面上は減るかもしれない。

 問題の本質的な解決のためには、言葉の暴力性を理解せず、言いたい放題に投稿したり発言する行為そのものを自制させる力を働かせることが、法整備と同時に欠かせないのではないか。

 自らは炎上に加わらず、けしかけて傍観し、ほくそ笑むタイプの存在もネット上には散見される。けしかけられても応じない自制心を持たなければ、イジメと同じように炎上も潜在化するだけで、最悪の事態が起きてはじめて露見することとなりかねない。

(つづく)

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