著者のコラム一覧
田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

ドラマより激しかった古関裕而と内山金子のリアルロマンス

公開日: 更新日:

■欧州留学をあきらめた本当の理由

 古関は結局、欧州への留学はあきらめることにした。自身の旅費や滞在費はコンクールの主催者が運営する作曲家協会が出してくれることになっていたが、金子の分までは捻出できなかったのだ。作曲家協会の条件は5年以上の滞在。金子と5年も離れて暮らすことなど、古関には考えられなかった。まだ、顔も合わしていないにもかかわらずである。

 文通を始めて3カ月の間に交わした手紙は百数十通にも及んだ。そして、2人はついに対面。そのまま、結婚してしまうのである。古関20歳、金子18歳の時だった。

 結婚してからも、その熱愛はいつまでも冷めなかった。古関の愛妻ぶりを示すエピソードも数多く残されている。太平洋戦争中、金子は古関の生家がある福島に疎開していた。一方、古関はヒットメーカーとして東京に残らなければならなかった。

 そんな時、金子が腸チフスにかかり昏睡状態に陥っているというニュースが古関に届く。汽車の切符を手に入れることすら困難な時代である。八方手を尽くして何とか福島まで戻った古関は疲れ切った体のまま、2度も金子に輸血。生死の境をさまよっていた金子はなんとか命をとりとめた。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    二階堂ふみと電撃婚したカズレーザーの超個性派言行録…「頑張らない」をモットーに年間200冊を読破

  2. 2

    参政党・梅村みずほ議員の“怖すぎる”言論弾圧…「西麻布の母」名乗るX匿名アカに訴訟チラつかせ口封じ

  3. 3

    キンプリ永瀬廉が大阪学芸高から日出高校に転校することになった家庭事情 大学は明治学院に進学

  4. 4

    さらなる地獄だったあの日々、痛みを訴えた脇の下のビー玉サイズのシコリをギュッと握りつぶされて…

  5. 5

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  1. 6

    山本舞香が義兄Takaとイチャつき写真公開で物議…炎上商法かそれとも?過去には"ブラコン"堂々公言

  2. 7

    萩生田光一氏に問われる「出処進退」のブーメラン…自民裏金事件で政策秘書が略式起訴「罰金30万円」

  3. 8

    二階堂ふみ&カズレーザー電撃婚で浮上したナゾ…「翔んで埼玉」と屈指の進学校・熊谷高校の関係は?

  4. 9

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 10

    日本ハム中田翔「暴力事件」一部始終とその深層 後輩投手の顔面にこうして拳を振り上げた