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荒木経惟写真家

1940年、東京生まれ。千葉大工学部卒。電通を経て、72年にフリーの写真家となる。国内外で多数の個展を開催。2008年、オーストリア政府から最高位の「科学・芸術勲章」を叙勲。写真集・著作は550冊以上。近著に傘寿記念の書籍「荒木経惟、写真に生きる。荒木経惟、写真に生きる。 (撮影・野村佐紀子)

<6>パチンコを向けてきた元気な少年が「さっちん」だった

公開日: 更新日:

 第1回目の「太陽賞」を受賞した「さっちん」は、大学4年生のときに撮ったんだよ(1962年から63年に撮影。雑誌「太陽」の創刊1周年を記念して創設された第1回太陽賞〔平凡社主催〕を受賞)。千葉大(工学部写真印刷工学科)に入ったら、写真って言っても何もなくてさ、バケ学(化学)だからね。化学実験とかがイヤで、つまんなくてさ、よくサボっては街を歩いて写真を撮ってた。写真映画専攻というところに行ったけど、卒業制作のために写真広報学科っていうのをつくってもらったんだ。

 卒論なんて全然書けないから、どうやって卒業しようかって考えて、卒論のかわりに映画をやろうと思ったんだ。じゃあ、化学やらなくても卒業できる学科をつくってあげようって言って、オレをひいきにしてくれた先生がつくってくれたんだよ。

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