著者のコラム一覧
荒木経惟写真家

1940年、東京生まれ。千葉大工学部卒。電通を経て、72年にフリーの写真家となる。国内外で多数の個展を開催。2008年、オーストリア政府から最高位の「科学・芸術勲章」を叙勲。写真集・著作は550冊以上。近著に傘寿記念の書籍「荒木経惟、写真に生きる。荒木経惟、写真に生きる。 (撮影・野村佐紀子)

<18>末井昭と出会う「すごい編集者がいるな」と気に入った

公開日: 更新日:

 長いつきあいだね、スエーとはね(末井昭、編集者・作家)。いつも夜10時に待ち合わせて、新宿歌舞伎町を撮りに行ってた頃の写真があるよ。やっぱりね、性風俗が元気なときは時代が元気なんだよ。

 最初に末井がオレのところに来たのはね、文章を頼みにきたんだよ。もう40年ぐらい前かなぁ(1976年)。わざわざ、三ノ輪(台東区)まで会いに来てくれたんだよね。なんで気に入ったかというと、その日は国鉄も私鉄もストライキで止まっていて、都電(荒川線)しか動いていない。そういう日だったけど三ノ輪まで都電を乗り継いで来てくれた。お、すごいなって。すごい編集者がいるなって。連載のエッセイの原稿を書いてくれって、文章を依頼してきたんだ。オレの名文があるよ、ちゃんと。名作なんだよ(笑)。

 末井は、2ページの予定なのに、渡した原稿が何枚もあったから驚いてたね。そのときに一緒に渡した写真が「地球がタバコを吸っている」っていうんだ。陽子と結婚して住んでいた三ノ輪のフラワーマンションの屋上から撮った写真。銭湯の煙突から煙が出てる。その頃は銭湯がいっぱいあったんだ、三ノ輪のあたり、煙突が多くてね。(末井は「荒木さんの生活、エロ、文学、アートすべてが凝縮されている濃い文章」と語っている)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志氏はパチプロ時代の正義感どこへ…兵庫県知事選を巡る公選法違反疑惑で“キワモノ”扱い

  2. 2

    タラレバ吉高の髪型人気で…“永野ヘア女子”急増の珍現象

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  5. 5

    《#兵庫県恥ずかしい》斎藤元彦知事を巡り地方議員らが出しゃばり…本人不在の"暴走"に県民うんざり

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    大量にスタッフ辞め…長渕剛「10万人富士山ライブ」の後始末

  5. 10

    立花孝志氏の立件あるか?兵庫県知事選での斎藤元彦氏応援は「公選法違反の恐れアリ」と総務相答弁